2014年10月30日木曜日

過去の半身麻痺リハビリ相談

2006.8.12
半身麻痺のリハビリ

脳梗塞による左半身麻痺(メール相談から)
 脳梗塞による左半身麻痺でメール相談を受けました。
 30代で発症して、自分の身体が思うようにならない苛立ち、不安等、本当につらいと思います。
 以下、私の返信をここに載せ、半身麻痺で苦労している方々のリハビリのヒントになれば幸いです。
半身麻痺に対してお答えします。(言語障害に関しては専門外です)
■現状
 身体は筋肉が左右前後深部と浅部のバランスをとって支え動かしています。
 神経がその指令を出していますが、壊れた部分からは指令が出ないので当然動かなくなり、筋肉バランスを崩します。
    今まで、左右の手足でバランスをとっていたものが、右側だけでバランスを取らなければならないので、右側手足の一部に過緊張部分ができ、左麻痺をいっそう引き立たせます。
    当然、顔や背中や腰等の筋肉もアンバランスになります。筋肉が動かないとリンパ液の動きが鈍り、むくみ・重だるさ・しびれ感・痛み等に悩まされます。
 脳神経が壊れた部分は取り戻すことは出来ません。よって、現在ある機能を如何に高めて不足した部分を補うかが一番の課題です。
■鍼灸は効果的か
    筋バランスとリンパ液の動きを改善して効果があると思います。しかし、それよりも、日々の運動が最も有効なリハビリとなります。自分の出来る範囲で毎日行ってください。
■対策
①はじめに
 日によって調子の悪い時もあります。
 逆戻りしたのでなく、半身麻痺というハンディーがあるのですからあたりまえです。
 きついようですが、そのハンディーから逃れることは出来ません。
 そのハンディーを克服するのがリハビリです。
    これより、一人で出来る運動法を書いてみますが、
    出来ないからとめげないで下さい。
    徐々にコツがつかめると思います。
②運動における注意
    半身麻痺があり偏っているのですから強い力で運動するともっとゆがみます。その為、数回やると苦痛でいやになります。あまりいい運動とはいえません。
    強く働いている筋肉を休ませて弱っている筋肉を使うのだと思ってください。目を開けて横目にならないようにして、麻痺側の手足が軽く感じる所で、「これで運動になるのか」と思うくらい力はいりません。また、運動範囲もそんなに大きくなくて結構です。
③身体のねじり
  リハビリには、捻る筋肉が重要です。
  左は麻痺しましたが、右側は動きます。右側の捻る筋肉をうまく使うと身体のバランスを取り易くなります。
  a ベッド上で健側(右側)の足や手で胴体を捻る動作をしてみてください。
    例1 右手を頭上(やや外より)に上げ右背中を反らせ気味にする。
            この時、首はねじれを逆にします。(手の方向に顔を向け見る)
    例2 右足を立て膝にして足でベッドを踏み付けるようにすると
            右尻が浮いて右背中が反ります。
            この時、首はねじれを逆にします。(右側に顔を向ける)
  b イス座りで胴体を捻る方法
    例1 ゆるいゴムバンドを縛り付けた柱の前に座り健側の手で引く。
            肘は脇にこするようにして、手のひら側を上にして
            手で引き付けるというよりも腰の回転で引き付ける感覚です。
            足裏全体が床に付くよう踏みしめて(右だけでも)
            ゴムの力で尻の体重が足に移動する感覚です。
            腰は回転しますが顔も目も正面を向いています。
            これで捻じれが出来て、倒れそうな感覚がなくなります。
④健側のストレッチと運動
 右手で倒れないように柱でもどこでも掴まりますね。その為、右肩・右肘が硬く動きが悪くなってきます。特に肩の前方と「力こぶ」と肘の内側に力が入ってきます。
 右手を頭の後ろに手をやるような格好で胸を開き肘を伸ばし外側にひねってストレッチしましょう。(気持ちの良い所へ)
 右の手足・と体幹部を使い自由に運動します。特に手では外捻りを中心にし、足は股関節を中心に、また体幹部(腰や背中)は左右の捻りを中心にやります。
⑤麻痺側の運動
    動かせる範囲でいいですから
 a 体幹に近い関節から動かしてください。(肩や股関節から)
  b 同時に複数の関節を動かさない。
  c 痛くない範囲で結構です。
※体幹と右側(健側)の運動をしていると徐々に麻痺側も動きやすくなってきます。
■終わりに
 1に運動。2に運動。3にストレッチ。
 まず、背骨のひねりをして、次に右(健側)手足の運動。その後に麻痺側の運動です。
 あせらないで 気持ちよい体位、気持ちよい運動がベストです。一つの運動に集中しないでいろんな動きを取り入れて見ましょう。
 目と顔は正面を向いて横目に注意しましょう。気持ちの良い運動法を見つけてください。
 テレビのコマーシャル時間に常にこの運動を取り入れてみたらどうでしょう。20~30秒位なら飽きはこないでしょう。
 苦痛な運動や息を止めた運動は目を閉じたくなります。
 目を閉じると動きがばらばらになり強い筋肉しか動かず、アンバランスになりがちです。

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