2006.12.11
① 20代女性 肩こり の 2症例
2症例とも両肩甲上部の肩こり強くつらくなるとゴリゴリ揉んでいるとの事。
症状は同じだが対処法が少し違っていたので報告する。
1症例
両肩甲上部のコリと側頸部の緊張強い。
施術
鍼は単刺で 左三陰交 左神門 の 補鍼
右陽輔・環跳 右外関 の 寫鍼
2症例
両肩甲上部のコリ 手足の冷えと頭痛を伴なう。
施術
鍼は単刺で 左曲池 右足三里 の補鍼
胃兪 大腸兪 の補鍼
糸状灸3壮 左曲池 右足三里
両症例とも以下手技を施す
左肩外旋筋(棘上筋・小円筋・広背筋)ストレッチ
右肩内旋筋(大円筋)ストレッチ
斜角筋調整
結果
症例1は鍼だけで軽快しストレッチも大変有効であった。
症例2はやや軽減するも軽快とまではいかない。
考察
肩甲上部の肩こりに対して強く揉んだり強く圧すとよいと思っている人が多いが悪くなることが多い。ここは頚椎上部から始まる肩甲挙筋の停止部に当たり、何らかの原因でこの部分が強く引かれるため重くなるのであり、僧帽筋上部よりも重要な意味があると思う。
原因としては、
①腕の使いすぎで脇の筋肉が緊張
②首の異常
③胸郭の動きが悪く、呼吸の補助筋として働いている場合
④骨盤のゆがみや側湾による場合 etc
この原因を解決しないで症状だけを追っていると悪化させることになる。
症例1は腕の使いすぎで上肢の緊張が取れて軽快したと思われる。
症例2は胃弱で胸郭の動きが悪く効果が少なかったと思われる。
置鍼して時間をかけるべきであった。胃経・大腸経の補をしっかりとして、効をあせってはいけない。
② 肩こりの症例
患者:成年男子
症状
右側の首・肩・背・腰が凝る。本人は、右側にショルダーバッグを掛けるからだと言う。
所見
①左右首・肩・背・腰部の筋が張っているが、特に胃の裏側が顕著。 ②お腹は、右肋骨の下(肋弓)に圧痛と緊張あり。 ③右肩上の筋肉(僧帽筋中部)・腕の力こぶ(上腕二頭筋)・胸の筋(大胸筋)に強い緊張あり。 ④筋肉はしっかりしているが全体に緊張気味で張っている。
方針
「油物を食べるとどうか」と聞くと胃がもたれ易いとの事。胆汁関係か胃または十二指腸の負荷が考えられる。 右胃経虚(Oリングテストによる)
施術
①右足の膝下(足三里)と胃の裏側(胃愈)を中心に心地よい押圧と全身の筋緊張をほぐす。 ②首の付け根の左側動可(頚椎7番)と右中僧帽筋ストレッチ。 ③腕を伸ばしてもらい軽い抵抗を加える(上腕三頭筋緊張)→上腕二頭筋の筋緊張が軽減する。 ④息を強く吐いてもらい腹筋に緊張を与える→横隔膜緊張→肋骨(胸郭)に動き→胸の筋(大胸筋)の緊張取れる。参照⇒⇒⇒呼吸について
考察
施術により症状軽快するが、内臓への負荷が強いように思われるので数日でまた戻るであろう。ただし、戻るからといって施術が無意味ではなく、症状が軽減している時は自然治癒力が高まるので、繰り返し施術が必要。 また、病院で内臓疾患の有無を検査するほうが無難で、食事やストレス等の注意が必要であろう。
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