2014年10月30日木曜日

過去診療録(下肢痛2症例)

2006.11.30
踵底(かかとの裏)痛

患者
70歳代 女性 肥満あり
症状
 三ヶ月前より徐々に右踵の底部に歩行痛あり、最近特に痛い。
所見
 左トレンデレンブルグ徴候陽性
 左ハムストリング緊張(挙上30゜)
 右逆パトリック陽性
 右下腿三頭筋緊張(つかむと痛い)
 アダムステスト陰性
治療
 初日 左飛陽補鍼、右陽輔・風市寫鍼、右照海補鍼、肩背部の散鍼
 2回目より 左脾虚 右胆実 に変更
    左三陰交補鍼 左少海補鍼 右胆経寫鍼 右中渚補鍼
経過
 初日から初診時所見が軽減し歩行痛軽度となる。
考察
 右側に体重がかかりすぎて腸脛靭帯と下腿三頭筋が過緊張となり、それにより足底腱膜の起始部を強く引っ張るから痛むのであろう。
 右腸脛靭帯と右下腿三頭筋の緊張に対して右胆経寫が有効であり、左腰と左下肢の強化に左脾経の補が有効と思われる。
 また、右ひらめ筋のストレッチ法と、左股関節部にある筋群の強化が、減量作戦と合わせて指導が必要であろう。


2006.5.24
大腿骨頸部骨折後遺症

患者:60歳台 女性
症状:
半年前に転倒して左大腿骨頸部骨折病院にて手術後リハビリをしているが股関節と腰が痛くまっすぐ伸ばせない。歩行は痛みの為やや前屈姿勢。
所見:
腰椎上部やや後湾、左股関節の屈曲痛ありパトリック・逆パトリックとも陽性。また、右股関節も負けず劣らずパトリック・逆パトリック陽性。仰臥位では腰痛があり両下肢にブロック入れ高くして加療する。
施術:
左陽陵旋泉補鍼・右足三里補鍼(脈診及びOリングテストにより判定)背腰部の散鍼。
方針:
痛みは筋力不足による可動域制限によると思われる。ある程度痛みが引いたら運動を主体にしたい。 
2日後来院
前屈姿勢改善され痛み軽度となっている。運動を主体に加療する。
股関節の抵抗運動:
屈曲=仰臥位で両手で左大腿前面を押さえ、それに対抗して大腿を引き上げ。外転:仰臥位で立て膝し、膝で横の壁を押圧。内転:枕を両膝で挟む。伸展:側臥位で膝を曲げて海老反り。それぞれ10秒保持。 これだけで、股関節痛軽減し軽くなると感激してくれる。右股関節も同様にさせる。自宅での運動を指示。

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